市貝町の日々

まごころを込めてお迎えする和食処 魚㐂

ほっこりするような接客

真岡鉄道市塙駅から700m。魚㐂はお寿司を中心とした和食処である。先代が魚屋さんからお寿司屋さんに、2代目の山田さんが単品で出していた天ぷらなど定食として提供をはじめ、現在は家族連れも楽しめるお店となった。「お寿司だけだと来る人も決まっちゃうんで、ちょっと若い人なんかも(引き継いだ当初)自分もまだ若かったので、同世代の方とか来てくれれば良いかなと思って」と山田さん。時代に合わせて変化していく魚㐂は、お客様1人1人を温かく迎える、”こじんまり”そして”ほっこり”と、優しい気持ちになるような雰囲気だった。

サクッフワッという食感が楽しめる天ぷら定食

自分で魚おろせんのかなって

約30年前に魚㐂を引き継いだ山田さんは、お婿さんとしてお店に入った。料理は未経験だったが、本で勉強しながら先代の背中を見て実務を積んだ。今では家庭用の煮物でも面取りを行うほど、”板前屋さん”という言葉が似合う。奥様に”きちっとしている部分”を指摘されると、「大雑把なのは大雑把なんですけど、”ここは”ってところは、ちょっと(こだわりがある)」と照れながら話す。多くは語らないながらも、サクッと揚げられた天ぷらなど、料理の質の高さからこだわりが伝わってくる。魚㐂の看板を背負っていく立場として、細かいところこそ手を抜かない、そんな一面が垣間見られた気がした。

仲良いですよね、市貝は

市貝町の飲食店が所属している料飲組合。地元に残る同級生。サークル仲間。色々な方に支えられてきたと語る山田さんご夫婦。料飲組合の打ち合わせは、話が盛り上がり楽しくて、ついつい長話をしてしまうほど仲が良いそう。またご夫婦が同級生ということもあり、中学校のクラス会は、「魚㐂で」と言ってくれる。地域で頑張る仲間からの優しさや温かさに触れているからこそ、お客様1人1人と向き合う接客が続いている。お互いに忙しいときに助け合える地元ならではの絆は、山田さんご夫婦の根本にもつながっていた。

だからすごく楽しかったですね

奥様である京美さんは魚㐂で生まれ育った。3姉妹の真ん中で、中学校の頃から家を継ぐのかなと思っていたそう。調理師学校を経て実家に戻り、お父様とお母様が切り盛りするお店を手伝っていた。「なんかこう人と触れ合うのが私大好きなので、楽しみながらやらせてもらっていた」と当時を振り返る。その頃、結婚式も行っていた魚㐂会館で、入場時に曲をかけたりナレーションの作成を手伝ったりと、自慢のお寿司を中心とした食事だけではなく、新郎新婦の要望に出来る限り合わせた演出も担当していた。手作りながらもお客様と向き合い、誰に対しても笑顔で話しかけてくれる奥様だからこそできる接客が、ここにあったのだと感じた。

代々引き継がれている魚㐂のお寿司

「おやじおやじ」

先代のお父様はきっぷが良く若い方から慕われ、それを支えるお母様は面倒見が良かった。「”おやじおやじ”や”ただいま”と仕事を終え、お店に帰ってくる青年がたくさんいました」と笑う。お店に来ていた若者が大人になり、「若い頃は、おやじとかあちゃんにいっぱいお世話になった」と話してくれることもあるそう。それが嬉しくてパワーの源となる。昔から来てくれているお客様、そしてお店をつくった両親、大切な人が示してくれた”今できることを精一杯頑張る”を胸に、笑顔を忘れない姿勢。魚㐂は今でもどこか、人情味が残るお店である。

”何かのときは魚㐂”

回転寿司やコンビニ、スーパーでも手軽にお寿司が食べられる時代。それでも「寿司は寿司屋じゃなきゃ寿司じゃねぇ」と言ってくださる常連のお客様がいる。金額で勝負はできないけれど、”何かのときは魚㐂”、「”少し値段は高くても、美味しいからしょうがないね”って、納得してもらえるものをこれからもつくっていきたいね」と今後のお店への想いを語る。ご夫婦の想いが込められたお寿司や天ぷらは、「やっぱり美味しい」って思わず笑顔になってしまうような、心がホッとする味だった。

和食処 魚㐂 データ
栃木県芳賀郡市貝町市塙1609-1
電話番号 0285-68-0052
定休日 不定休
お寿司の出前、宴会のご予約お待ちしております。

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